再開発の… 明日に架ける 【ことぶき】

2018.02.21

 あんまり寒いので夕食は鍋以外に考えられない、という意見がある。家庭内に。
一方で、もう鍋のネタが尽きた、との声も聞こえてくる。
今年に入ってからだけでも、定番の寄せ鍋はもとより、しゃぶしゃぶ、すき焼き、担々鍋、ちゃんぽん鍋、トムヤム鍋… と手を変え品を変え、なんとかしのいできた。

しの・ぐ【×凌ぐ】2 困難や苦境などにじっと堪えて、なんとか切り抜ける。辛抱して乗り越える。(デジタル大辞泉)

献立の単調化という“苦境をなんとか切り抜け”つつ、もっとライフライン的問題として暖房器具の貧弱なわが家では、卓上コンロで暖をとって室内の低温化という“困難な状況にじっと堪えて、なんとか切り抜け”てきた。

「おでん、しばらくやってないんじゃない?」
と誰かが発言すると、もう鍋のローテーション問題に煩わされたくない調理担当者は「じゃ、おでん」と即決する。
ということで、買い出し担当はひばりが丘に向かう。


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おでん種のメインとなる練り物はひばりが丘の「大清かまぼこ店」と決めている。10年ぐらい前からそうなっていて、ここの味に慣れるとほかはちょっと厳しい。吉祥寺の「塚田蒲鉾店」もよいが、味もいいが値も張る。


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練り物購入後、並びの「栄屋うどん店」に立ち寄る。
前にも書いているが、おでんのシメはご飯に豆腐をのせて汁をぶっかける日本橋「お多幸本店」の“とうめし”風、またはうどん。
ということで、田舎うどん3玉購入。


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買い物が済んだので、お昼ごはんにする。


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都市計画道路ひばりヶ丘駅北口線整備事業が進むなか、駅前の雑踏に立地した多くの飲食店は移転または閉業した。
すでに建物が取り壊され殺伐とした雰囲気のさら地の真ん中にポツンと立つ真新しいビルの1階に、小さな中華食堂がある。
人気ラーメン店「サニー」の手前にあって、妙に落ち着きのある気になる存在である。


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“昔ながらのらーめん”の看板を掲げる「ことぶき」は、カウンター7席のみの小さなお店。
ビルの名前が「ことぶきビル」だから、こちらはビルオーナーだ。厨房の料理人は若いからオーナーの息子さんだ、たぶん。
と、こんな感じで予備知識ゼロで入店したのである。


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あとで調べると、「ことぶき」は1974年創業。もともと駅北口階段横で営業していたが、駅前整備事業に伴い移転。2014年に現在地で再スタートした(こちらの記事に詳しい)。


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2時すぎでカウンター右端に2人連れ。
左端に座り、“ラーメンとのお得なセット”770円から、炒飯セットを注文。


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左手のテレビはやはりオリンピック中継で、またまたフィギュアスケート。でも、向こうのお客さんたちはあまり関心がないようで、こっちに視線が来ることもないので助かった。
ロシアの氷上の妖精が彗星のごとく現れた瞬間だったらしい。


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目の前はオープンキッチン状態で、寡黙な料理人の手際よい仕事ぶりを見ることができる。
中華鍋の炒めの技術が高そう。


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ラーメンのひと口目はけっこうオイリーだが、味付けは非常にすっきりしている。
昔ながらというより、いまどきの自然志向のようなものを感じなくもない。
麺はいわゆる加水率の高い中細やや縮れ。バラロールのチャーシューはしっかりした味付け。


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炒飯は昔ながらの味わい。ご飯はパラパラ、具はチャーシュー、卵、グリーンピース、ニンジン、コーン、ネギ。


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僕はこのセットでまあまあ満足したのだが、あとで調べてみると、どうも失敗したようなのだ。
口コミによると、こちらはとろみ系が人気。もやしラーメン、カントンメン、マーボーメン…。どれもとてもおいしそう。
近いうちに再チャレンジかなぁ…。


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[DATA]
ことぶき
東京都西東京市ひばりが丘北3-3-33



[Today's recommendation]

Bridge over Troubled Water
Simon & Garfunkel
『Bridge over Troubled Water』

https://www.youtube.com/watch?v=tUuUr6iS3ao



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 2018.02.21 大清かまぼこ店/東京都西東京市ひばりが丘北4-2-25

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うずら玉子巻、ウインナー巻、いんげん揚、しいたけ揚、はす揚、ごぼう巻(以上90円×3)、もやし生姜揚80円×3


 2018.02.21 栄屋うどん店/東京都西東京市ひばりが丘北4-1-29

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田舎うどん90円(×3)


  2018.02.21 魚沼屋豆腐店/東京都東久留米市八幡町2₋12-12

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がんも大110円、生揚げ170円


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Red Listな飲食業態 【けやき台ドライブイン】

2018.02.20

 40代以上の人は、“ドライブイン”と聞いてどういうものを思い浮かべるだろう。
というか、それより下の人は、そういう言葉を聞いたこともなかったりするんだろうか。

かつて郊外の幹線道路沿いにドライブインと呼ばれる飲食施設があった。
主にトラック運転手や旅行客が食事や休憩のために利用した。


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――街道筋(特に有名観光地に通じるような道路)の食堂、みやげ物店などが店舗ごとに駐車場を用意し、ドライブインを名乗っていた。(Wikipedia)
――都市部からはずれた地域で幹線道路に面して立地している休憩所。 ~ 昭和40年代から道路網の整備と自家用車の普及が進んだことを背景に、全国各地で開業が進んだ。(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

この引用にもあるように、長距離輸送路や観光道路に多くあった印象がある。
平成に入り、トラック輸送の高速道路への移行、道の駅の設置やファミレスの進出などに伴い激減。いまでは廃墟を見る機会のほうが多くなった。


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懐かしのドライブインそのままの姿で営業している店がある。
その名もずばり「けやき台ドライブイン」。


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立川通り沿い、すずかけ通りとの交差点の南。
敷地が広く、店舗両脇のかなりのスペースを駐車場に割いている。駐車台数よりも大型車対応とみられる。


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初めて見たのは20年以上前のことだが、そのときすでに「このものは廃墟ではなく現役であるのか?」というような建物だった。物理的老朽化というよりデザインや業態そのものの時代的ギャップがそう思わせた。食べログによればオープンは1969年。


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1時すぎで単独客が2人、僕のあとに2人組が来店。いずれも仕事で移動中といった様子の工務職風。
入り口正面にレジがあって、“食券をお求めください”というプレートが下がっている。前金制。


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食事は和洋定食、そば・うどん、丼もの、中華… と何でもそろう。
レジ右のサンプルケースとお品書きを見つつ、「ミックスフライ」と申告。850円お支払い。ちなみに食券が発行されることはない。


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レコードプレーヤーコンポ、雪印牛乳ドリンク冷蔵庫といった懐かしアイテムが目を楽しませる。
この店のすごさは、つくり込みがいっさいなく、ただ流れのままにこの状態に至っているという点。


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意外なことに全面禁煙のステッカーが張ってある。口コミから判断すればそう古い話ではないと思われるが、客層を考えると大改革だったに違いない。
予想より客入りが少ないのはそのせいじゃないかとよけいな心配をしてしまう。それで家族連れや女性客が増えればいいが…。


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ミックスフライは、エビ、イカ、アジのフライと、ピーマンはなぜか天ぷら。
切り干し大根とキャベツの浅漬けの小鉢が付く。みそ汁は油揚げとワカメ。


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フライはクリスピーというかガリボリという食感で、下手すると口の中を切るレベル。しかしネタに火が通りすぎているわけではなく、エビもイカもプリプリ。アジフライは鮮度がいいのか、まったく臭みがない。
ピーマン天をしょうゆで食べると口がさっぱりして、この組み合わせ、なんか正解(笑)。


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この店にはレトロな雰囲気を楽しむというイベント性を求める、悪く言えばネタづくり的な動機で訪れる客が(自分を含め)一定数いると思うが、たとえばミックスフライ定食は普通においしい。付け合わせや副菜が充実していてボリュームも十分。
昭和レトロを満喫しつつ食事もおいしい、実は高付加価値な食堂なのである。


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[DATA]
けやき台ドライブイン
東京都立川市若葉町1-1-1



[Today's recommendation]

David Bowie Aladdin Sane
David Bowie
『Aladdin Sane』

https://www.youtube.com/watch?v=iHO0prgzVZo



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入って初めて見える風景 【大平】

2018.02.19

 東大和のけやき通りは人気ラーメン店が並ぶ。
けやき通りと聞いてピンとこなくとも、新青梅街道の「青葉 東大和店」から「狼煙屋」と「とんがら亭」の前を通って「大学ラーメン」に至る道といえば、北多摩在住のラーメン好きなら地図が思い浮かぶであろう。


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その包囲網の真ん中らへんで踏みとどまっている中華料理店「大平」。
“踏みとどまっている”には、客が入っているとも思えないがどうやって成り立っているのか…? というニュアンスを含む。
大通り沿いで人目につくお店だが、入りにくいことこのうえない。


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店の前でぐずぐずしていると、裏の駐車場のほうからやって来たおじさんがヒョイと入っていく。つられるように入店。1時前で客はその2人のみ。
いや、客がいないことには驚かないが、店内の様子が想像していたのとあまりに違っていて、それには相当驚かされた。


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まず、そこそこ広い。4人掛けテーブル席が6卓、ゆったり配置されている。加えてカウンター6席。
それから、そこそこきれい。拭き掃除が行き届き、各席に毎日洗濯していそうなパリッとした敷物が据えてある。
そして、店員が多い。ホール係の女性のほか、厨房内は見えづらいが、どうやら3人いる。家族経営とすれば夫婦二世帯ということか。
つまり、“踏みとどまっている”どころか、“ちゃんとした”お店のようなのである。


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しかしながら現時点で店員4人に対して客は2人。どうやって成り立っているのか、という疑問はまったく解消されていない… どころかむしろ深まった。
と思ったら、まもなく立て続けに単独客が3人入ってきた。いずれも常連のよう。
ここの道はよく通るが、これまで客が出入りする場面に出くわしたことが一度もなかっただけに、これはこれで驚きである。
そして、いよいよちゃんとしたお店らしく見えてきたのである。


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セットメニューが充実している。
大平セット(ラーメン・ミニカルビ丼)850円に引かれる。でもこういうのは定期的に訪れる人のためのバリエーションだ、と考えてしまう。一期一会の人が中華屋でカルビ丼は違うんじゃないか、と。
しつこく店内を見回すうちに、しっくりくるメニューを発見。
「本日のサービス品:ラーメン・餃子・ライスセット790円」


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お店に入りにくい理由として上位に来るのが、外から店内の様子をうかがえないこと。この店は典型的にそういうつくり。
しかし店内からは表の様子がよく見える。
そういうことはよくあって、自分のように思い切りが悪く店先でぐずぐずしているのは露骨にアヤシそうでやばいやばい… と毎回ひやひやさせられる。
向かいの上仲原公園の森が窓外にいい感じだ。


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本日のサービス品は、ぱっと見、充実感がある。
ビジュアル的に貢献度が高いのが餃子。BMI 29… といった豊満さ。
食べても餡がみっちり、肉・野菜のバランスがよくおいしい餃子だ。
一方、ラーメンはいたって普通かな。


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外見にはわからない、入ってみて初めて見える風景というのがある。
店内がお客さんでいっぱいだった時代が思い浮かぶように感じるのは、いつまたそうなってもいいように備えを怠らないからだと思う。


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[DATA]
大平(たいへい)
東京都東大和市清原4-6-11



[Today's recommendation]

Heaven  Bryan Adams
Bryan Adams
『Heaven』

https://www.youtube.com/watch?v=3eT464L1YRA



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そば屋の“正統”五目中華 【信濃屋】

2018.02.18

 小川駅周辺はメインの通りから少し入ったところでひっそり営業している飲食店が多いから油断ならない、というようなブログ記事を読んだことがある。
それはまさにそういう立地の大衆食堂「ふじや食堂」か、和菓子の「立花家」裏手のそば屋「信濃屋」か、どちらかのレビューだったと思う。


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特に信濃屋はまったく目につかない位置どりで、僕はつい最近まで存在を知らなかった。
食べログか何かで見つけ、「そんなとこにそば屋なんかないだろ…」とわざわざ確かめに行ったほど。
そしたら、ちゃんと現役のそば屋があったのである。
「立花家」や「だんごの丸一」で買ったことあるし、その間の古道具屋もときどきのぞいたりしていたにもかかわらず、このそば屋には気づかなかった。


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そういう経緯もあって妙に気にかかる存在で、ときどき前を通って様子をうかがったりしていた。近隣住民以外はまず通らないような場所にあって、どんな人間が入るんだ? という好奇心もある。
いつも食べ物の匂いが周囲に漂っている。それもだいたい、天ぷらを揚げるゴマ油の香り。


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今日はこのあたりを散歩していて、のぞくだけでものぞいてみようかと。
驚くことに、ワイワイガヤガヤ、店内のにぎわいが外に漏れている。
入りやすくなったか、その逆か…。


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いつもは自転車で通過するだけだから気づかなかったが、店頭のサンプルケースにラーメンと五目中華がある。
そば屋の中華麺に弱い。そして、あたりにはやはり香ばしいゴマ油の香り。
食い意地が警戒心を上回る瞬間である。


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店内はテーブル4脚、左奥の小上がりに2卓という構成。座卓1つとその横のテーブル席を使って、団体さんが昼飲みを敢行している。
が、ワイワイガヤガヤの主要音源はそちらではなく、厨房であった。
おばちゃんが3人もいる。
田舎で人寄せ(冠婚葬祭)のときに近所のおばちゃんが手伝いに来てる、かのようなにぎやかさ。


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注文は五目中華700円と天ぷらそば750円。
そば屋の中華部門、個人的にはラーメン、タンメン、五目中華のどれかに絞られる。たぶん五目中華を食べることがいちばん多い。
いわゆる五目中華は、そば屋で食べるのが正しい。
どういうことか。


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ただいま提供されたこちらの五目中華、具は伊達巻き、かまぼこ、なると、干しシイタケ、タケノコ、ホウレンソウ、ゆで卵、メンマ、チャーシュー、豚コマ、ゆでキャベツ。
五目どころか11品と豊富だが、まあ平均的といえば平均的な五目中華の具材である。

では、このうち伊達巻きからホウレンソウまでの6品を、かけそばの上にのせてみよう。
こ、これは…!?
そうです。これは“おかめそば”というたべものにほかなりません。

おかめそばの歴史は江戸時代にさかのぼる。
そば屋でなじみの具材が、五目中華の中軸をなすのである。


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と書いておいてなんなんだが、こういう練り物をおいしいとは思わない。でも、なかったら寂しい。
こちらの五目中華はたっぷりのゆでキャベツがうれしい。タンメンっぽいニュアンスも味わえる。
こだいらネットの自己PRによれば、「ラーメンのスープは鰹節だし」。それはちょっと気づかなかったなぁ…。


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天ぷらそばはドーンと大海老1尾の潔さ。
ゴマ油香る浅草あたりの天丼屋で出てくるような“鈍重な”天ぷらがいい。
コロモを大きく広げる技は巣鴨や柴又の参道なんかで見られそう。


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実は入る前に出前に出動していく店主のお父さんと擦れ違っていた。やはり出前主体の営業か? と思ったが、客の回転は悪くないし、料理にもそういう“停滞感”を感じない。
街そばとしては優良店という印象。
おばちゃんのおしゃべりも、僕は嫌いじゃないが、いつまでも帰ってこない店主がそのあたりをどう思っているかは、わからない。


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[DATA]
信濃屋
東京都小平市小川西町2-27-9



[Today's recommendation]

The Three Degrees Greatest Hits
The Three Degrees
『Greatest Hits』

https://www.youtube.com/watch?v=bzpq4u2syMs



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2018.02.18 みそ仕込み

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ふと、懐かしの喫茶店メシ 【ランチハウス】

2018.02.17

 前回の続き。少々おさらい&補足を。
西荻窪まで足を延ばす気になったのは、仕事が一段落して開放感に満たされたから。
3連休を含め、この2週間、ずっとごたごたで、金曜の昼ごろに出口が見えたときには、なんだか遠いところから帰還したような心持ちがした。
どれぐらい遠いところかというと、エンケラドスぐらい。

前の記事はしんみり調になっているけど、せんべい屋さんは別に畳んじゃったわけじゃないからね。
基本的にこの日はうわずった気分で動いているので、切り替えは早いのだ。


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「大判」に向かう途中、心揺さぶられる外観のお店を見かけた。昔よくあった料理がおいしい喫茶店のにおいがする。
帰り道にじっくり観察してみると、店名が読みづらいレベルの庇テントのくたびれぶりと、窓から見える店内の清潔で温かそうな雰囲気のギャップがたまらなくいい。


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こぢんまりした店内、カウンター8席とテーブル4人×2、2人×1という構成。
カウンターの中に初老のマスター。外で支度中の若い女性は娘さんか?
お客さんは奥の4人テーブルの2人組のみ。マスターに「そちらにどうぞ」と勧められ、隣の4人テーブルに。

3種類のランチメニューから、ポーク鉄板焼き(ライス、みそ汁、ドリンク)650円、チキンカレー(サラダ、ドリンク)800円を注文。


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待っている間、「そういえば何ていうお店?」と(笑)。
背後の窓のポークスタミナ焼きの張り紙の隅に、小さくLunch houseとある。
あとは表の看板と同じ内容のランチメニューのボード、壁には絵画が2枚。
掲示物は以上の4点のみ。
非常にシンプルな内装で、全面白い壁の清潔感ある空間だ。


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いい感じのお店のわりにすいてるな… と思っていたら、11時半を過ぎた途端に混みだした。
4人組が入ってきてカウンター席に案内される。見れば小さい子ども連れ。迷わず席を譲ってカウンターに移動した。向こうは戸惑っていたようだが、素早く判断して正解だったと思う。その後立て続けに3人連れが来店した。
小さい店でカウンターの4人組(幼児含む)と3人組を尻目に、4人テーブルを2人で占拠しておいしく食事ができるような強靭なメンタリティを自分は持ち合わせない。


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移動先のカウンターのいちばん奥は調理場のコンロの真ん前だったので、マスターの調理の様子をじっくり拝見させてもらった。
1つのバーナーに鉄板を2~3枚、少しずらして重ね、強火でガンガンに熱している。もう一つのやはり強火の火口には使い込まれたフライパン。この簡素なシステムで鉄板焼きとカレーの温めまでをカバーする。


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木の台に鉄板を載せ、生のモヤシとソテーした豚肉を盛り付けて、仕上げに追加のタレをかけるとジュワーッと湯気が立ち込める。


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ライスは一人一人、お客の顔をみながらよそってる。提供の際にも確認する。
「多くないですか?」「少なくないですか?」
見ていると、ドカ盛り基本で、女性その他は減らすというスタンスのよう。ご飯山盛りの皿がどんどん運ばれていく。
僕のカレーはすごい量だった。


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カレーは期待どおりの懐かし系。
甘めで、S&B的な配合カレー粉の香り。メリケン粉の適度なとろみ。よく煮込まれたニンジンとチキンがゴロゴロ。


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ポーク鉄板焼きはショウガとニンニクの効いた、まぁショウガ焼きタイプ。
付け合わせの生のモヤシが熱々の鉄板でどんどんしんなりしていく。
基本ご飯大盛りだけに、肉の量はかなり多い。
これでドリンク付き650円は、コスパ超優秀だと思う。


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昭和の喫茶店を思い出させる鉄板料理と懐かしのカレースタンド的カレー。
街外れにこういうお店があるあたり、西荻窪の懐の深さを感じた。


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[DATA]
ランチハウス
東京都杉並区西荻南1-18-11



[Today's recommendation]

Gazebo I Like Chopin
Gazebo
『I Like Chopin』

https://www.youtube.com/watch?v=grGjD1rTNyg
https://www.youtube.com/watch?v=UHPkz-DT8wk



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  2018.01.18 喜田屋/東京都杉並区西荻北3-31-15

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豆大福140円×3


Starting Over 【大判】

2018.02.17

 昔、いまより遠くまで自転車を走らせていたころ、ときどき永福町のCDショップまで足を延ばした。
ルートとしては、西荻窪駅南口から神明通りを通る。
五日市街道や井ノ頭通りより車が少なく走りやすいから。


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神明通りを駅からけっこう離れて商店が途絶えるあたり、いかにもちゃんとしていそうなせんべい屋を見つけたのは10年以上前のこと。
店先にせんべいの生地が天日干ししてある。古い小さなお店のたたきでは、実直そうなおじさんが一枚一枚ていねいに炭火で焼いている。
最初何を買ったか覚えていないが、おまけに個包装してある“壊れ”をもらったのを覚えている。
その後、ごくたまにではあるが、そのせんべい屋「大判」に寄るようになった。買うたびにおまけをくれた。


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去年のひなあられ。ただし、化粧袋は毎年たまっていっていて、これは数年前の使い回し


たまたま2月に通りかかったとき、店頭にひなあられが並んでいた。ポン菓子ではなく、おかきタイプ。
それからは大判のひなあられがわが家の定番になった。
そっち方面に行かなくなって久しいが、1年に1回、ひなあられだけは必ず買いに行った。


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今日は陽気もいいので、散歩がてら上石神井から歩いてひなあられを買いに行くことにした。


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ルートとしては、青梅街道の上井草四丁目交差点からバス通りに入り、井草八幡の西側を南下、善福寺公園の東で善福寺川沿いの遊歩道へ。川が北向きに蛇行するあたりから西荻の街に上る。


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途中、昼ごはんのお店をチェックしながら駅南口の雑踏~神明通りと歩く。


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大判は駅からけっこう遠い。
自転車では毎回、「こんな遠かったか? 通り過ぎちゃったか?」と思い始めるころに到着する。
不思議なことに、歩きではそれほど苦になる距離には感じられない。


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店頭のワゴンが寂しい感じ。2つあるうち1つは空っぽだ。
例年、このワゴンにひなあられが並べてある。

ガラス戸に「お知らせ」の張り紙。
嫌な予感がした。

――今年より、「ひなあられ」は製造終了となりました。


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お店のお母さんが出てきた。
「商品を減らすことにしたんですよ。もう焼くのが大変で」
ひなあられは種類が多いから特に大変だったのだそうだ。
たしか、おかき5~6種類の詰め合わせで、すべて手焼きだったのだから。


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「でも、いまも焼き上がるそばから売れていっちゃって…」
その時点で買えるのはワゴンに載っているザラメのおかき1種類だけとのこと。

「毎年ひなあられ、楽しみだったんですよ」
と言うと、お母さんは丁重に
「それはどうもありがとうございました」と。


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お父さんは黙々とあられを焼いている。
ていねいに接客してくれる印象だったが、そういう雰囲気ではない。傷つけられたように、ムスッと。無念さがにじんでいるようにも映る。

ひとまず、おつかれさまでした。
これからはもっといっぱい買いに行こう。


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[DATA]
大判
東京都杉並区西荻南4-2-3
http://okaki.ooban-koban.com/index.htm



[Today's recommendation]

Starting Over John Lennon
John Lennon
『Double Fantasy』

https://www.youtube.com/watch?v=dcYh0d2YIFs



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  2018.02.17 大判/東京都杉並区西荻南4-2-3

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ザラメ540円


多摩版 食のワンダーランド 【得得市場】

2018.02.17

 前回、早めの時間のほうがおもしろいことに気づいたので、もっと早く行ってみようと8時すぎにうちを出る。
目当ての鮮魚はやはり品数豊富でワクワクする。


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でも早ければいいってもんでもないようで、ちょうどプロの仕入れと一般買い物客のはざまの時間帯らしく、多くのお店は客も少なくひと息ついてる感がある。
なかなか難しい。


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左:アンデス食品、右:東京北魚

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COFFEE市衛門

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左:近江フーズサービス、右:大東青果

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かぼ久よこがわ

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柴源


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鮮魚の「柴源」にカツオのたたきが出ている。
「持ってっちゃって。安いよ」とじいさん店員。
自分はカツオに目がない。
「もう新物出てるのよ」とおばちゃん店員。

「どこでとれたの?」と聞いてみる。
「どこって、海に決まってるじゃねーか」とじいさん。「川でとれるわけねーよな(笑)」

こういう憎たらしいこと言うじいさん、平成の世を生き延びてる。
うれしくなってカツオとカキを購入。


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[DATA]
得得市場(東久留米卸売市場)
東京都東久留米市下里5-12-12



[Today's recommendation]

Weather Report Black Market
Weather Report
『Black Market』

https://www.youtube.com/watch?v=AuAMSE_xck4



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  2018.02.17 柴源/東京都東久留米市下里5-12-12 東久留米卸売市場

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カキ500円、カツオタタキ495円


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