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秋の匂いに誘われ… 【ながしま 磯とり料理】

2018.11.02

 久米川北口商店街の磯とり料理「ながしま」の周りにはいつもおいしそうな匂いが漂っている。
お店の前を通ると腹が減る、はじめからハラ減ってたりすると倒れそうになる。

秋の匂いは特にキケン。
ずばり、マツタケのにほひがする…。
昼間から匂っているからもはやお店に染み付いている感じで、たぶん1日中マッタケ。近所の人、たまらないだろうなぁ…。


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去年9月にも同じようなネタで、「マツタケをいただくというなら急を要する」と書いている。
結局、昨秋は夜に伺う機会がなく、今年の課題となっていた。


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今秋、早くから気にしてはいたが、家族の予定がそろわなかったり、忙しかったりで、気がつけばもう11月。
猛暑の影響で時期が少し遅いと聞いているが、さすがにやばいんじゃないだろうか…?

昼ごはんを食べに行って様子を探ることにした。


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引き戸に“どびんむし”の短冊が張ってあり、ひと安心。
例によって匂いも漂ってます ( ̄∇ ̄) ウンウン!


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注文は、僕は「いつも同じだけど」かつお刺定食で、相方は「食べたことないから」と豚しょうが焼定食に。


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ところで、こちらのランチメニューはだいたいのものを食べているつもりだが、ホワイトボードにこれまで見たことのない“イクラ丼”の文字が。
これは気になる…。


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まずお新香と小鉢(切り干し大根)。
みそ汁は豆腐と油揚げとわかめ。
しょうが焼きは、それほど厚みはないが何枚も重なっていて、見た目以上にボリュームがある。


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甘めの味付けで、タレに独特の香りがある。酒系だろうか、芳香ともいえる上品な香りで、香りは上品だが濃いめの味付けはご飯によく合う。


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かつお刺しはさっぱり系。
壁の短冊に“もどり”の文字が書いてあって、ちょっと期待したが、それは“うす切”という別の料理のもよう。夜来たときにはぜひいただきたい。


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でも、脂ののった戻りがつおもいいが、さっぱりした夏のかつおも同じくらい好き。


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帰りしな、マツタケはいつごろまで出るか大将に聞いてみた。
「うーん… 明日、あさって…? うん、もう日曜日で終わりだと思います」

ガーン… ( ̄▽ ̄;) ガーン!!


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週末は猫の病院とか、いろいろ予定が入っている。
今年もおあずけ…?

最近、こういうことが多い。
もっと計画的に動かないとダメだと、痛感させられました。


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[DATA]
ながしま 磯とり料理
東京都東村山市栄町1-11-1



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https://www.youtube.com/watch?v=3DinorrElWM



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◆ 猫写真はこちら その1 その2


目には青葉―― 【ながしま 磯とり料理】

2018.05.11

 今年の青葉は例年にもまして目に青い。成長スピードも速い気がする。

山ほととぎす――
武蔵村山の中藤あたりまで行けば普通にホトトギスが鳴いているが、平地の住宅地ではめったに声を聞かない。
このあたりにも毎年やって来るカッコウの声を昨日、この春初めて聞いた(On Hearing the First Cuckoo in Spring)。
山には同属のホトトギスも飛来しているだろう。

――ということで、初ガツオ。

目には青葉 山ほととぎす 初鰹 ――山口素堂(1642~1716)


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僕はカツオが好きで、毎年この時期はソワソワする。
マグロには特に思い入れはないが、カツオは毎日でも食べたいくらい。実際、昨日今日とカツオ続きだ。


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スーパーのはちょっとあれなので、少々高くても、カツオは東村山久米川町の「生活クラブ生協 デポー東村山」で求める。
昨日、デポーにカツオが入った。


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今日の昼ごはんは、久米川駅近くの「ながしま」。
前回(3月・夜)、前々回(12月・昼)と品書きから消えていたカツオ刺しがランチメニューに登場。季節到来である。
カツオ刺定食850円と焼鳥重780円を注文。


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僕のカツオ好きは父親譲りなんじゃないかと思う。父がどれくらいカツオ好きかというと、カツオ船の会社を立ち上げたくらい(笑)。保有船は何度も水揚げ日本一を記録した。いまは甥が業務を引き継いでいる。


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カツオ刺しは背と腹の両方の部位がのってくる。
背はさっぱりしていて、まさに初ガツオ。腹身は、もちろん戻りガツオの濃厚さはないが、ほどよい脂がのる。まったくくさみがないのは鮮度の証し。


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焼鳥重の焼き鳥は生から焼き上げる。
腿肉、レバー、つくねの3串で、甘すぎない秘伝のタレは、上品だがご飯との相性もよい。
添えられる玉子焼きは炒り玉子か厚焼き玉子で、今日は厚焼き。


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写真を撮らせてもらっていると、
「器の下に10円玉挟むときれいに撮れますよ」とマスター(お店のおばちゃんたちはそう呼ぶ)。
器の向こう側の高台の下に1~2枚コインを差し込むと立体的に撮れるとのこと。

「昔、雑誌の人がそうやってるの見ましてね、写真撮ってる人には教えてあげることにしてるんです(笑)」

それはいいこと教わった。刺し身何切れか食べちゃったけど、さっそく練習に1枚。


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冒頭の写真より絶対きれいなはずだが、そう見えなかったらワタクシがへたくそなのです


5月25日(金)18:30~20:30、久米川駅北口駅前広場で行われるジャズライブ「KUMERAKU FRIDAY NIGHT」で、今年も鳥唐揚げを販売する。
去年は2回とも雨で中止だったが、唐揚げは店頭で売って、あっという間に完売したそうだ。
「ながしま」の絶品唐揚げ、この機会にいかがだろうか。


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[DATA]
ながしま 磯とり料理
東京都東村山市栄町1-11-1



[Today's recommendation]

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Buena Vista Social Club
『Chan Chan』

https://www.youtube.com/watch?v=KODWcrncnUU



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この店があるしあわせ 【ながしま 磯とり料理】

2018.03.10

 今夜、子どもたちの帰りが遅いというので、珍しく外食することにしたが、近場でとなると候補は絞られる。真っ先に思い浮かぶのが久米川の「ながしま」だが、ここは週末ものすごく混む。
行くだけ行ってみて入れなかったらどうするか考えよう、ということで歩いて向かう。


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ちらっとのぞいてみて、やっぱりいっぱいか…。
と思ったら、「お座敷空いてますよ」とお店のお母さん。ラッキー。


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カウンター7~8席、テーブル3卓のほか、奥の座敷に3卓ある。
スタッフは、大将のほか、おばちゃん3名。
注文をとりに来たおばちゃんは、ランチタイム担当の人だ。
とりあえずビール。アサヒかキリンかと聞かれ、迷わずキリン。


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まずは前回食べそこなった“あし天”(あしたばの天ぷら)を注文しようとすると、「終わっちゃったんですよ」と昼おばちゃん。
終わるの、はやっ!
「あしたばのおひたしはありますか」と相方。
「ございます」とおばちゃん。
あとはとりあえず刺し盛りの竹を注文。


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キリンラガー中瓶とお通しが来る。
ここはお通しがすごい。


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お通しというか先付3品は、カニ入り玉子焼き、エビのオーロラソース、あしたばのごまあえ。
アシタバかぶったなー…(笑)。


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で、あしたばのおひたしが来る。
ゴマよごしもいいけど、かつお節の効いただしにひたしたあしたば、早春のイブキやー!
旬の走りだから、いろんな食べ方できてよかった。


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刺し盛り。
「えーと、これはマグロと…」と言いかける相方を、
「早く私に言わせて! 忘れちゃいそう(笑)」とお母さんが制する。


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「えー、メダイとホウボウとトビウオでございます」
「トビウオ、おっきい!」と相方。
「春トビが入り始めたから」とお母さん。「ほかのネタはおなじみのね」
マグロとタコとシメサバ。
刺し身はどれも一切れがデカく、魚を知り尽くした人のつくり方。


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僕は日本酒を所望。一応、お酒の銘柄を聞いてみる。
「うちは昔からキンシ正宗しか置いてないの、京都の」とお母さん。
去年そう言われたことを思い出した。
熱燗2合を注文。
一緒に、鳥唐揚げともつ煮込みを追加。


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唐揚げは、ニンニクやショウガの香りはなく、穏やかなしょうゆ味。
それで臭みがまったく感じられないので、素材がいいのか、ウデがいいか。
ふんわり軟らかな肉質を保った火の通り具合は、さすがとり料理をうたっているお店だけあるなと思う。
最近、“始めました”の張り紙が出たもつ煮は、甘く素朴な味わい。


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相方はシメに突入。
ごはんは焼とり重、きじ焼重とあって、焼とり重はランチの定番メニューなので、食べたことのないきじ焼重を注文。
僕はキンシ正宗1合を追加。


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ところが発注後、もつ煮好きの相方が残った煮汁でご飯食べたいと半ライスを頼む。
ご飯を持ってきた昼おばちゃん、「私、この食べ方いちばん好き!」と相方と意気投合。
結局、きじ焼重、ほとんど僕が食べた。
炭の香りと辛口のしょうゆだれは、焼とり重に負けないおいしさであった。


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「島ずしはいつから?」と聞いてみる。
「えーと、いま3月よね?」とお母さん。「来月からです」
島ずしシーズン(~6月)のうちに1回は来たいな。


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ながしま 磯とり料理
東京都東村山市栄町1-11-1



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The Fools - Sold Out
The Fools
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記憶を呼び覚ます感覚 【ながしま 磯とり料理】

2017.12.21

 食べ物屋にはそれぞれ独特のにおいがある。そのにおいを嗅いで、「懐かしい」と感じることがある。

ある特定のにおいから過去の記憶が呼び覚まされる心理現象を“プルースト効果”という。文豪マルセル・プルーストの代表作『失われた時を求めて』に、主人公が紅茶とマドレーヌの香りから幼少期の記憶をよみがえらせるという描写があり、そこからこう呼ばれる。


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嗅覚はほかの感覚と違い、記憶と感情をつかさどる大脳辺縁系(海馬・扁桃体)と直接つながっている。つまり、においの情報と記憶や感情を処理する場所が同じなため、信号がつながりやすいということ。


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先日、東久留米の 浜波 に行ったとき、入った瞬間、「懐かしい」と感じた。子どものころの記憶を呼び覚まされるような感覚。
ところがツレはそれを感じなかったという。生まれ育った環境がまったく異なるからではないか、と言う。
彼女は内陸の米どころ、僕は北国の漁村生まれ。
魚料理のにおいが染み付いた日本料理屋に、生家に通じる要素を感じ取ったのではないか、と。


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浜波と共通のにおい成分を醸成しているのが、久米川の日本料理店「ながしま」。
ここは何度も入っているが、来るたび海馬がチクチク刺激される。


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秋口に入ったときに松茸どびんむしの紙が張ってあって、また夜に来ようか… と話しつつも実現しないまま季節は移ろい、張り紙はアンコウ鍋に変わった。
ランチメニューから僕の好きなカツオ刺が消え、食べるものはおのずと決まってくる。


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1時40分で、客はなし。カウンターの右のほうの席に座る。
注文は、やっぱりやきとり重780円。
カツオのない冬場はこればっかり食べてる気がする。まあ、何食べてもおいしいんだけど。


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最近、表にランチの張り紙をするようになったが、昼の客が減ってるとか?
だとしても、ここはあくまでも夜メインで、それがすごいのだ。
いま座っているカウンターにはぎちぎちにいすが8つあるが、それが稼働率100%になっているのを見て驚いた。いまも夜の仕込みに大わらわな感じで、とても客1人のときの厨房の状況には見えない。


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やきとり重は生から焼くので時間がかかる。以前、しょうが焼きの人に抜かされたことがある。
5分ぐらいたってお客さんが入ってきて、注文は揚物定食(カキフライ)。この勝負、ビミョー。
焼き鳥の煙とカキフライの揚げ音が競り合ってて、1人ハラハラしながら見守ってる。
「お重、お願いします」と先に声がかかる。ぎりぎり逃げ切り。
注文から約12分。


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焼鳥重は、腿肉、レバー、つくねの3串に、炒り卵。このシンプルな構成が絶妙。
辛口の秘伝のたれで焼かれた焼鳥は、ワンランク上な感じの洗練された味わい。つくねでさえ上品である。
お新香に、小鉢はメンマ。
濃厚かつおだしのみそ汁がしみじみおいしい。


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2時を過ぎておばちゃんが暖簾を片づける。
それでも大将の仕込みの手は止まらない。
やっぱり、夜に来たくなってしまう。

秋の間、昼にも店の周りに漂っていたマツタケの香りはいつの間にか消えていて、季節は正しく移ろっているようである。


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ながしま 磯とり料理
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Edith Piaf
『Super Best』




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匂いをおかずに? 【ながしま 磯とり料理】

2017.09.16

 ――吝嗇家はかつてうなぎ屋の隣に住んでおり、飯時になると、うなぎ屋から流れてくるかば焼きを焼く匂いをおかずにして飯を食べていたが、それを知ったうなぎ屋が、月末に「匂いは客寄せに使(つこ)てるさかい、代金を支払え」と言って家に乗り込んできたという。そのとき吝嗇家は財布を出したものの、金を渡さずにうなぎ屋の目の前で落として音を鳴らし、「『嗅ぎ代』やさかい、音だけでよかろ」――(Wikipedia「始末の極意」より)


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この季節、久米川の居酒屋「ながしま」の前を通るとマツタケの匂いがする。ランチの時間も午後の休憩時間でもそうなんだが、そんな時間にマツタケを焼いているとも思えないので、連夜大量にマツタケ料理が出てその匂いが店内に染み付いているんじゃないかとか想像している。
厨房の小窓からは年中いい匂いが漂っていて、秋以外の季節では干物系が多いようだが、あれは夜のクサヤの名残だったりするんだろうか。

この店では十分、匂いが客寄せの役割を果たしていると思う。おかずはさすがに難しいと思うけど。


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1時半すぎと少し遅い時間の昼食。
カウンター席の真ん中らへんに座ると、目の前のネタケースの上に木箱入りのマツタケが。
“秋の香り 松茸どびんむし 900円”と書いてある。


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と、ここまでの展開だと、ついふらふら松茸どびんむしを頼んでしまった、となりそうだが、昼にそのようなことには絶対ならない(笑)。
ただ、これまで飲み屋でマツタケなんて考えたこともなかったが、どびんむし900円って、相場は知らないけど決して手の届かない値段じゃない。

初夏に“島ずし”を主目的に夜に訪れ、何を食べてもおいしくて感動した(「念願の島ずし」参照)。いま、秋の味覚を求めてまた夜に行ってみたいという気持ちが湧き上がってきた、という話。
マツタケをいただくというなら急を要するわけだが。


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僕の場合、ここの昼定食の注文は、かつお刺定食かやきとり重とほぼ決まっている。しかし今日は生活クラブ「デポー」に戻りがつおが入荷する日なので夜はおそらくかつお刺、やきとり重は生から焼くのでこんな遅い時間には頼みづらい。
で、ときどき家族が食べるのを横からいただいたことぐらいしかなかったマグロづけ丼に。

大将はカウンターの中ですごく忙しそうだ。いま、1人出て客は僕だけで、ランチの営業時間も終了しようとしている。この店は週末の夜、非常ににぎわうので、その仕込みが大変なのである。


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マグロづけ丼は読みどおり提供が早い。
メインのどんぶりにはたっぷりのマグロ。手前の中トロから奥の赤身へと、色味のグラデーションが美しい。ランチサービスでも本ワサビ使用である。
小鉢はツナサラダ、香の物はぬか漬けと、名残の夏野菜の競演。みそ汁は大根、豆腐、油揚げ。

ほかにサービスのイカの塩辛が各席に備えてあるが、これだけおいしい塩辛はいまの時代、まず食べられない。スルメイカの不漁で今年は無理かもと思っていたが、こうして食べられて幸せである。


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お代はマグロづけ丼880円と、マツタケの嗅ぎ代、チャリンチャリン。


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ながしま 磯とり料理
東京都東村山市栄町1-11-1



[Today's recommendation]

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特選!! 米朝落語全集 第三十二集
『始末の極意 / 世帯念仏』




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2017.09.16 HARU HANAhttp://haru-hana.ocnk.net/

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プレーン(S)130円、雑穀(S)220円
不定期で「喫茶 にじのまど」ほかで販売。出店情報はHP、Facebook(http://www.facebook.com/jikaseicobo.haruhana/)で


夏のカツオの味わい 【ながしま 磯とり料理】

2017.07.21

 東京は17日連続真夏日ということで、その間どさくさに紛れて梅雨明け宣言も出ちゃってるし、この先いろいろ大変そうだ。
そんな天候のもと、いちばん暑い昼どきにランチのお店を求めてフラフラするのも無理が出始めているようで、昨日は食事から帰ったあと謎の睡魔に襲われて仕事に支障を来した。これはいわゆる熱中症というものなんでは? と少し心配になった。

ということで、本日は慎重な行動を心がけ、遠出ははじめから考えないことにする。まあやっぱりいい年してそんなんで倒れてたらカッコ悪いし。食い意地が原因だったんかーい! って、誰も同情してくれないし。

とはいっても“近場で済ます”という片づけ方はしたくないので、何を食べるか、慎重に自分のいまの欲求を探ると同時に、想定されるエリア内のお店のメニューを思い出し、その合致するポイントを求めるのである。
で、はじき出されたのが久米川駅北口の「ながしま」のカツオ刺定食。


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ここは昼に来るのは3カ月ぶりと、けっこう空いてしまっていた。
名物“島ずし”の布の看板は外されている。春場の提供は6月いっぱいで、秋のスタートはカツオの脂の乗りしだいといったところ。


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僕の直前に入ったお客さんがカウンターの中央、僕が右端。もう1人、カウンターの左端に座っている人は、けっこうできあがりぎみで、テーブル席でひと休みしている大将と歓談している。
この人は見るからに常連。中央の人も、おばちゃんが定食を運んできたときに「今日は飲んでないのね」とからかってるから、まあかなりの常連。
僕はそういう会話をにやにやしながら聞いている。


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カツオ刺定食800円。
小鉢は水菜のおひたし、みそ汁は豆腐と油揚げとワカメ、香の物はキュウリとダイコンのぬか漬け。
カツオは鮮度抜群。脂が乗っておらず、おいしい。ここが大事。
背が5切れ、腹が2切れ。腹身でもさっぱりしている。
夏のカツオはさっぱりしていてこそ。脂の乗りは秋の戻りガツオを待てばいいのだ。
僕はどっちも好きで、季節ごとにいい状態のものを味わいたいと思っている。


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途中で入ってきた人は初めてだったらしく、おばちゃんにいろいろ聞いている。ここでは常連も一見も、当たり前のように大将やおばちゃんと言葉を交わしている。
「この店はくさや焼いてくれるの?」
「はい」
「いつでも焼いてくれるの?」
「はい」
「ムロ?」
「それとトビウオ」
「あしたばの天ぷらとかもあるの?」
「天ぷらは夜ね」と向こうから大将。

それを聞いていたらまた夜に行きたくなった。この間の夜(6月3日)、あしたばの天ぷらを食べなかったことが若干の心残りになっている。


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ながしま 磯とり料理
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Sonny Clark
『Cool Struttin'』



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念願の島ずし 【ながしま 磯とり料理】

2017.06.03

 約11カ月ぶりの家族での夜の外食。
・名目:結婚30周年をメインに5~6件のお祝い事をまとめてこなすこと
・資金:第927回mini toto-B当せん金額18940円(購入金額100円!)
・目的:「ながしま」の島ずし(「島ずしのレシピ」参照)

今年はたまたま結婚記念日を思い出した。夕刊1面の「5月23日」という字づらに引っかかるものがあったのだ。というぐらいだから、例年わしら夫婦は結婚記念日をスルーしてしまう。それどころか数年前まで自分は1週間ほど日付を間違えて覚えていて、「今日結婚記念日じゃん」と言ったら、「とっくに過ぎてる」と妻にあきれられた。

予約をして夕方のスタート時間6時のちょっと前に到着。お店は開いているようなので入るとすでに8割がた埋まっていて、いきなり面食らわされる。そのあとも続々とお客さんがやって来て、あっという間にいっぱいになった。狭いカウンター席の稼働率100%。
いい店だから混むだろうと予想してはいたが、ここまでとは。
居酒屋チェーンひしめく久米川でのこの状況に、まだまだ世の中捨てたもんじゃないなと安心する一方、これまで利用してこなかった自分が情けないやら悔しいやら。夜外食の習慣がないから仕方ないが。
店員は大将のほかにおばちゃんが3人。大忙しながら笑顔と思いやりと心の余裕を失わない安定・安心のオペレーションだ。

島ずしは最初のオーダー時に予約、食べるときにあらためて申告するシステム。
まずキリンラガー2本と刺盛、焼き鳥、おしんこを頼む。ビールと一緒に出てきたお通しを見て、「オレ、これだけでもう満足」(笑)
つぶ貝、あなごしんじょう、あしたばのごま和えの3点盛り。こんなきれいでおいしそうなお通し見たことない。味もどれも申し分ない。

このようにテンションマックスでスタートした今宵のオーダーは次のとおり。
・刺盛 松(まぐろ、ひらめ、金目鯛、しめ鯖、たこ、赤貝)2000円
・焼き鳥(若どり、砂肝、レバー、つくね、各2本、砂肝は塩、ほかはタレ)150円×8
・おしんこ盛合せ(なす、かぶ、きうり)400円
・天ぷら盛合せ(海老2、いか、きす、鯖、エリンギ2、ししとう2)1200円×2
・キンシ正宗生酒 760円×2

どの料理も感涙もののおいしさ。ランチの定食で大将の実力は十分承知しているつもりだったが、とんでもない。レパートリーの広さにも驚くが、これだけの客のオーダーをほぼ1人でこなしているにもかかわらず細部に神経が行き届いている。焼き鳥の完璧な火の通し、エリンギの天ぷらのおいしいこと。

念願の島ずしをお願いする(780円×3)。
ネタはカツオ、トビウオ、岩海苔。魚は漬け、岩海苔は佃煮仕立てで、しょうゆを付けずにそのままいただく。
以前、大将に聞いた話ではシャリの味が強めとのことだったが、思っていたより上品である。ややクセがあるトビウオに練りからしがよく合う。岩海苔は甘すぎず香りよい炊き上がり。期待以上のおいしさ。
島ずしのにぎりはお母さんの担当とのこと。金土日限定の理由は「毎日にぎるって考えたら嫌になっちゃうの(笑)」

夏場、島ずしはお休み。それでもこの店の魅力は尽きない。次の機会を心に誓って、最高の宴席をあとにした。


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ながしま 磯とり料理
東京都東村山市栄町1-11-1


島ずしのレシピ 【ながしま 磯とり料理】

2017.04.19

 冬の間、外してあった“島ずし”の看板が掛けられているのを最近見つけた。
そのへんの確認も兼ねて昼食は「ながしま」に。


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島ずしを始めたということはカツオが入荷し始めたということだ。
というのも、去年の秋にお客さんに島ずしをいつ始めるのか聞かれ、「そろそろ始めようと思ってるんですけど、どういうわけか今年のカツオは脂が乗ってこなくて」と大将は答えていた。そうか、カツオしだいなんだ、と思った。
程なくして島ずしの看板が下げられた。やっぱり今年のカツオは駄目だったんだ、と寂しくなった。それから冬の間、カツオ刺定食も消えていた。


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予想どおり定食メニューにカツオ刺定食が復活していた。
僕はカツオ好きだ。マグロに特に思い入れはないが、カツオに寄せる思いには並々ならぬものがある。初ガツオも戻りガツオもどちらもいい。お茶漬けにしたら最高にうまい。鰹節だって節から削って使うくらいだ。
しかしカツオの刺し身は当たり外れが大きい。スーパーのカツオはほぼ外れと考えていい。その点、ながしまなら間違いない。僕はこの店ではカツオ刺の頻度がいちばん高い。
ということで、カツオ刺定食850円。妻は焼鳥重780円。


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島ずしについて質問をした。大将が丁寧に教えてくれた話をまとめると、だいたい次のような内容になる。

島ずしは島(八丈島)の家庭料理で、祝い事などで供される。江戸前に比べて味付けは濃く、シャリの酢、砂糖ともに多めである。ネタはカツオなどの漬けで、薬味にわさびではなく練りからしを使う。その家ごとのやり方で作られ、島の人は誰でもすしを握れるが、大きさも形もばらばら、味も全部違う。
大将は島での板前時代、観光客相手に島ずしを出していた。そのころ、理想的な島ずしを提供すべくいろいろな家庭のすしを食べ、平均をとってレシピ化した。以後、島ではそれをもとにすしが標準化されていった。
「出すたびに味が違ってたら具合が悪いし、ツアーガイドに怒られちゃう(笑)」と大将。島ずし界の重鎮だったのだ。


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島ずしは金・土・日の夜のみの提供。カツオのほかに、トビウオはなるべく使うようにしているとのこと。岩海苔もネタとする。春の時期は6月ごろまで。鮮度が命であり、安全・安心を第一に夏場は提供しない。
「飲んでるといつまでも手を付けないこともあるから、魚が弱っちゃうんですよ。持ち帰るっていう人もいるし、そんなのいつ食べるかわかんないでしょう」

本日のカツオ刺も焼鳥重も安定のおいしさ。焼鳥重の玉子は炒り玉子のほうがいいと前回書いたが(「市内屈指の昼定食」参照)、この厚焼き玉子はレベルが高いとあらためて認識した。
ぜひ一度島ずしを食べてみたいが、夜は動きが鈍い。6月までには何とかしたいと思う。


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東京都東村山市栄町1-11-1


市内屈指の昼定食 【ながしま 磯とり料理】

2017.02.22

 「ながしま」のランチは市内でも1、2を争うと思っている。
八丈島直送の魚介、ランチでいえば刺身・焼魚・煮魚などが素晴らしいのはもちろんだが、この店は「磯とり料理」を標榜しており、二枚看板のもう一方の「とり」も非常にクォリティが高い。その代表が焼鳥重。

僕はこれが大好きなのだが、おかしな思い込みからこういう重箱はおっさんには上品すぎるように感じられて頼むのを躊躇してしまう。このところようやく開き直ることができて、2回連続焼鳥重だ。まあ、好物のかつおの時期が終わったというのもあるのだが。


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焼鳥重は、腿肉、レバー、つくねの3串に玉子焼きという構成。
まず焼鳥は生から焼き上げるというところがすごい。ランチで、である。甘すぎない秘伝のタレはご飯との相性抜群。
玉子焼きはこの日は厚焼きだったが炒り玉子のことが多く、個人的にはそのほうがふんわり全体を包み込んで料理の一体感を高めてくれるように感じる。


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妻は揚物定食(とりカツ、白身魚フライ)。
たとえば揚物に添えてある野菜はただのキャベツの千切りではない。キャベツにレタス、ニンジン、タマネギをミックスしてある。そういう目立たないところにすごく手がかけられている。

ところで、テーブルに常備のイカの塩辛が絶品だ。僕はこれだけでどんぶり一杯ご飯を食べる自信がある(って、サービス品なんだから)。
これだけの塩辛は、いまの時代そうそう食べられるものじゃない。最近の塩辛は… とお嘆きの塩辛好きは、それだけのためにでも入る価値がある店だと思う。


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[DATA]
ながしま 磯とり料理
東京都東村山市栄町1-11-1


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