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41年目の年の瀬に… 【狩勝】

2018.12.06

 食べ歩きの愉しみの一つに新しい味(店)との出会いということが挙げられると思うが、新規開拓にかまけて行きつけの店から足が遠のいてしまいがちになる。
いかんいかん… と反省するのが12月。年末のあいさつ回りじゃないが、長く通っているお店には顔を出しておかないと。


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久米川駅前のサッポロラーメン「狩勝」は7月以来。
前回、品書きから消えていた鳥の唐あげはやっぱり見当たらないので、やめちゃったかな? 少しずつメニューが減っていくなぁ…。
でも今日食べようと思っていた品はちゃんと壁の短冊にある。


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「カツカレー」とお店のおかあさんに申告。
「カツカレーは、えーと、ちょっと待ってよ…」と厨房に引っ込み、冷蔵庫を開けて… 「あ、大丈夫。あるある」とおかあさん。「カツが心配だったのよねー(笑)」
ちょっと危なかったみたいだが、オーケーっすか? _( -"-)_ セ、セーフ…!
品数が減ってきているのは、中華鍋が振れないという体力面だけでなく、材料の仕入れ・在庫管理の問題もあるんだと思う。


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品書きのカレーライスには“ビーフ”、カツカレーには“ヒレ肉使用”と書いてある。
カツカレーは正確にいうと“ヒレカツビーフカレー”ということになるのかな?


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7分後にやって来た皿は、まさにヒレカツビーフカレー。昭和時代ならぜいたく品だ。
カレーには牛肉がけっこうたくさん入っている。ヒレカツもまあまあのサイズ。平成最後の年の瀬に食べても、昭和を知る人間にはぜいたくな味がする。


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「お客さん、ときどきみえてるよね」と、おもむろにおかあさん。「うち、12月いっぱいでやめることにしたの」

手が止まり、言葉を失った。

いろいろ理由はあるようだ。
身体面できつくなったこと、すべての設備が老朽化したこと、近所にチェーン店が立て続けにできたこと、後継者がないこと…。
「お父さんがやりたいっていうからやってきたけど、もうかる商売じゃないのよ。個人店は本当に大変。もう限界(苦笑)」


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今年の春先にもこういうのが続いたことがあったが、やはり“平成最後”というフレーズが及ぼす心理的な影響が大きいんじゃないだろうか。
昭和が遠くなったと思っていたら、平成も終わる。そろそろ潮時かな… と。

「もうこのへんで残るのは『しなの』さんだけになっちゃいますね…」と言うと、「あそこもやめるって言ってるわよ」と、それはそれで重大発言なんですけど…。


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閉店を決めてもサービス品(黄色の付箋)を出し続ける姿勢には頭が下がる


うちでは子どもたちもこの店が好きだ。そのことを話すと、「一緒に来てもらわないとわかんないわね(笑)」と。
12月いっぱいといっても銀行が営業している28日までか、あるいはもっと早く閉めるかもしれないとのこと。
それまでに一度、家族みんなで来てみようと思う。

「おつかれさまでした」と店を出るのはつらいものである。


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[DATA]
狩勝(かりかち)
東京都東村山市栄町2-7-1



[Today's recommendation]

wachat181206.jpg
◆ 猫写真はこちら その1 その2






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No title

北海道ラーメン

お母様のご様子ですが、僕が最後にお邪魔した頃。二回に渡ってですが、どうやら軽い痴呆が始まっていたように感じました。娘さん、お母さんを気遣うのとお店を回すのに必死でしたよ。他のお客さんからも、痴呆は感じなかったらしいですが苦情めいた話を聞かされました(何だって、オレに愚痴るんだよ。馬鹿どもめ)
おそらく、この頃から娘さんも相当無理していたようです。僕がそう感じただけですけれどもね。同志の皆さんが知るように、まだまだ若かったし、作法も見た目も深夜まで働くには整いすぎていましたしね。誰か支えてくれる人、居ないんだろうか。親父さんが生きていたら、店に立つのを反対しただろうか。しただろう。。などと見ているのが辛くて、僕は行くのを止めました。正直、本当に大変そうだった。
四十年くらい前から通っていましたからね。そりゃ、色々見てましたよ(苦笑)
あっ、僕のことは多摩の狐か狸とでも思っていただいて、、、

田無のお店ですが、看板の名前は失念しました。北海道ラーメンの親父さんか女将さんかと、(店には立っていなかったのですが)田無の大将の(恐らくは奥さん)とが姉妹、または姉と弟(これも、おそらく前者)だったようです。
旧青梅街道を西へ向かって左の脇に入ったあたりにあったんですが、数年前に近くを通ったら景色が変わっていました。三十年ほど前に夜遅く飛び込んだらメンマの味がとてもよく似ていて、八坂に味の似たメンマを出す店があるんだと言ってみたんです。そしたら大将、その店は自分の身内の店だと言うんです。親父同志は血の繋がりがないようで、似ていませんでした。似ていたのはメンマの味付けだけで、ラーメンの味も八坂よりはサッパリ系でしたね。顔の方も八坂の親父さんよりは、少しサッパリした人でしたとさ。

以上、生き証人、読みひと知らずどした(笑)

Re: No title

ツキさま

そうです。その酒屋の隣の北海道ラーメン。
なぜそんなに詳しいんです?? びっくり…!

おねえさんはお父さんがお亡くなりになってパティシエから転身して継いだといわれていました。
その小学生のころ…??
ツキさん、何者…(笑)

でもやっぱり閉店理由はお母さんのお具合だったんでしょうか?
実際、われわれはそう感じてました。
最後のほうはお母さんに動かれるのが忍びなくて自分で器を下げてましたし。娘に下げさせたりとか…。
いまでもときどき無性に食べたくなります。
いつも、僕はしょうゆ、相方はみそ。

田無の親戚というのは?
それらしいものはやはり残っていないような気もしますが、参考までに教えていただければ…

No title

八坂の北海道ラーメンとは、酒屋さんの隣のお店のことでしょうか。。
もしそうなら、二代に渡る経営でしたが、閉店はお母様のお具合によるところが大きいですかね。
カウンターの娘さんが小学生の頃には、もちろん元気だった女将さん。大将が亡くならられて元気を無くされたのは仕方なしとしても、娘さんがお店を切り盛りするようになって、なんとなく覚束無い感じが目立つようになりました。僕もあのお店の味噌ラーメンや餃子が大好きでしたが、お母さんの様子を見るのが辛くなり足が遠のいたクチです。娘さん、元気にされていると良いけど。。。
ご親戚だった田無のお店も今はもう無いのかな。あちらも美味しいお店だったけど。

Re: No title

馬場さま

揚子江も、どうでしょうね…
北海道ラーメンは、いまだに味を覚えています。しょうゆもみそも塩バターも。
食べられないけど食べたいラーメンNo.1です。
あれはショックでしたよね。
うちの娘は、狩勝は北海道ラーメンと同じ匂いがすると言ってました。店内が。

Re: 「うち、12月いっぱいでやめることにしたの」

ささげくんさま

僕はこういう雰囲気のお店を中心に通っています。
なので、避けられないことであるとは思いますが、でも悲しいです。

Re: No title

carmencさま

せつないです。
そうですね、生活に組み込まれていたお店だったと思います。

カツカレーについて書き方が悪かったんですが、ビーフカツではなく、豚のヒレカツです。
ビーフはカレーのほう。
豚肉のヒレカツに、ビーフカレーのかかった、カツカレー。
失礼しました。

No title

こんにちは、馬場でございます。
そうですか、ついに狩勝さんも。。。
本当に寂しくなりますね、あの界隈では
もう揚子江さんが最後の砦でしょうか、
しかしそこですらあとどのくらい?と思うと。

ご存知とは思いますが府中街道沿い八坂駅近くに
つい数年前まで北海道ラーメンがありました。
そこが閉店した時も相当なショックを受けましたが
これが時の流れという物なのでしょうね。

「うち、12月いっぱいでやめることにしたの」

>いろいろ理由はあるようだ。
 身体面できつくなったこと、すべての設備が老朽化したこと、近所にチェーン店が立て続けにできたこと、後継者がないこと…。

〇記事、拝見しました。
 「うち、12月いっぱいでやめることにしたの」、とは!
 店の雰囲気が昭和に見えましたが、この言葉になるほどです。
 草々

No title

せつないですね
あそこに行けばあれが食べられると暮らしの中に組み込まれてるお店が閉じるのはホントキツイですね。
スゴいカツカレーです!
ビーフのカツカレーって初めてで、おまけに見た事ないくらい具がいっぱい入っていて
このテントの看板は見覚えがあります
表にカツカレーと目立つように書いてあったら、当時入ってんじゃないかなあ
離婚後の住まいを初めは久米川で探していて実は決まってたんですけど急遽やめましたが
そこに住んでいたらここの記事でかなり助けられたでしょうね

Re: おっはー

つかりこさま

泣けます。
「狩勝」はこの通りでいちばん古く41年、通りを出たとこのそば屋「しなの」はそれよりさらに5年ほど古い。
昭和のカレーも遠くなりますね。

Re: No title

ツキさま

つらいです。

Re: No title

KUONさま

こちらのおかあさんは明るく朗らかな方で、客入りがよくなくともいつもニコニコ、鼻歌を歌ったりしてます。
そういう表面的な印象だけでは推し量れないご苦労はあったんだろうと思います。
でもここまで続けてこれたのは、その内面の強さゆえだとも思います。

おっはー

うううっ、泣ける。
かけ汁の具も多いカツカレー、
それが昭和のいいところを象徴している
ような気がします。
それがもう通じなくなってきたかなのような・・・

No title

つらいですね。

No title

まったく知らないお店なのに、なんだかしみじみしてしまいました。

ビーフカツ、美味しいですよね。とんかつも好きですけど。「もう限界」という言葉、本当にそうなのだろうなあ、と、なんだかやっぱり、寂しいです。
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